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アニメや映画などを観て感じたこと、想ったこと。ネタバレする場合有。

『十三機兵防衛圏』感想(ネタバレ無し)

最近はスマートフォンアプリばかりダラダラとやっていたので、久しぶりにコンシューマーゲームソフトをプレイしました。それが『十三機兵防衛圏』。

で。クリアしてから物語に関する感想を考えたのですが「これ、何言ってもネタバレになりそう」という類の作品だなと。私はアニメ、映画、ゲームにおいて事前情報をほとんど入れる事なく本編に臨む姿勢を基本的に他人にも押し付けているので、このエントリーに関しても物語の核心に関する直接的な表現は避けます

因みに当方ヴァニラウェア作品は初めてであり、なんならアトラス作品も(女神転生、ペルソナ含めて)未プレイです。

 

クリアした今でも印象に残ってる事があって。初めてこのゲームを起動した時に、タイトル画面で流れるメインテーマの『Brat Overflow』にガッツリと心を掴まれました。あまりに好みの曲だったので少し涙が出た程でした。何となく『攻殻機動隊S.A.C』の菅野よう子っぽさが頭を過りました。SNSにて、かなり後半まで進めてから「クリアできそう」という投稿をしましたが、振り返ると、初回起動時のタイトル画面でクリアする自信は結構出来た気がします。

 

チュートリアルが終わると、戦闘パート(崩壊編)とアドベンチャーパート(追想編)とアーカイブパート(究明編)に別れ、崩壊編と追想編を進めながら、分からなかった細かい単語や話を究明編で確認していくカタチになります。私は、この物語の進め方が『十三機兵防衛圏』における独特な物語体験の根幹だと考えています。

物語の主人公として13人のキャラクターがいますが、各キャラのプロットが複雑に絡み合っていて、ひとつの出来事や伏線の意味を理解する為に崩壊編や追想編において様々な要素を考慮する必要が出てきます。最初は意味が分からなくても、ゲームを進めることで後になって意味が分かる。ひとつ分かると、他の伏線にも繋がる。そうして謎が溶けて、点が線になっていくカタルシスを味わうことができるシステムだと考えます。

 

プロットの話を出したので、ついでに映像化についての個人的見解をば。結論から言うと「不可能とは言わないが、ハードルはかなり高くて多いと思う」。

前述の通り、プロットが非常に複雑である点。焦点をひとりに絞ったとしても、それでは物語の全体像がまるで分からないまま最終決戦を迎えかねない。時系列や謎を整理したプロットを完成させたとしても、ゲームに劣らない物語体験やカタルシスが味わえるかはかなりの疑問。それに、単純な量もかなりのハードル。私は寄り道もあって50時間余りで最初のエンディングを迎えたが、単純計算でTVアニメ100話を優に超える。シリーズ構成と設定考証が息絶えそう。

カニック周りの作画も鬼じゃないかとも思った。ヴァニラウェアからCGを借用・流用って出来るのか?

私の視聴経験から言えば海外ドラマ『Game of Thrones』並の熱量と資金力が欲しい(無茶)。群像劇の度合いがちょっと似てると思ったりもした。その流れで海外で実写化も考えたが、メインキャラクターが皆んな日本人の高校生だし、あれがアメリカのハイスクールってなるともう根本的なイメージが違いすぎる気がする。う〜ん。

 

閑話休題

当投稿の冒頭で言った通り、久しぶりのコンシューマーゲームだったが。買い切り品という良さを再確認できたゲームだった。

スマホアプリのガチャで快感を覚えるのは分かるが、殊「引きの弱さ」に関してはかなりの自信がある私にとっては実質的な底無し沼である。企業にとっては書き入れどころだろうから仕方ない。しかし、買い切りのゲームはガチャの様なランダム要素はかなり削られており、特に自身の強さに直結するゲーム内資産に関しては保障されているので、その辺をストレス無く出来るのが如何に素晴らしいかが分かった(※今回は資産が保障されていないゲームの話は置いておく)。『十三機兵防衛圏』はプレイ前から好評ぶりは聞いていたし、それなりに信頼できる好評だったので、そういう意味でもストレスは無かった。

あとアプリゲームはコンテンツの最新の情報に長くコンタクトし続けられる利点がありますが、どうしてもモチベーションの浮き沈みは有るもの。実際、私も惰性で続けている時期があったりもします。でも、物語のある買い切りゲームは買った時点でエンディングが用意されているので、夢中な儘で終わらせることが出来る。これも買い切りの強みと言えると思う。

 

強みと言うより、好みの話ですが。物語中の会話で実際の名作SF映画をオマージュした作品の話が出てきたのは楽しかったし、それらの作品への興味へ派生させるキッカケとしても良いゲームでした。それに、何度かチラッと見える下着を見直してスクショしたり、同性に頭の中を弄られるプレイをして悦んだり、(誰のかは分からないですが)性癖が垣間見えるのも楽しくて。物語の本筋として必要ではないけど、あると嬉しい&楽しい場面が沢山あるのも、結局はモチベーションに繋がるし、世界への没入感を上げてくれるので大事だなと。

 

こんなところで『十三機兵防衛圏』(ネタバレ無し)の感想でした。

色々言いましたが、めっちゃ面白かったです。

私の場合、アニメや映画と違って、コンシューマーゲームは発売してから周りの評判を見たり、過去作をやったことがあったり、ある程度の理由が無いとほとんど手を出しません。なので、次にいつこの様な機会があるか分かりません。ブログに書くかも分からないし。

でも、このエントリーも書けて良かったと思っています。

それではまた。

 

追加:クリア後に出る戦闘のステージが多くてまだ終わりが見えてません。

 

 

2024年まとめ

はじめに

11月の兵庫県知事選の結果を受けて体調を崩していましたが、12月に入った段階でこのエントリーに着手できたのでとても偉かったくせるです。

毎年「あまり数は見れていないな」と思っていたが、ここ数年は連続もの・単発もの共に新旧合わせて50作品ずつくらいになっているので、今はこれくらいが丁度良いのかも知れない。

2010年代は「とにかく数を見る」から「数を絞って集中力を高める」という意識にシフトしながら映像作品を見てきたので、その結果としてこの数に落ち着いているのなら現状のベストなんじゃないかなと。ただ、映画はともかく、連続ものを全作品全話全集中するんじゃなくて、もう少し気楽に見る意識を持っていきたいとも考えている。

 

 

 

連続もの選

・『僕の心のヤバイやつ』2期

・『オーイ!とんぼ』

・『ガールズバンドクライ』

・『響け!ユーフォニアム』3期

・『逃げ上手の若君』

・『負けヒロインが多すぎる!』

・『2.5次元の誘惑』

・『ダンダダン』

・『わんだふるぷりきゅあ!』

僕の心のヤバイやつ』は1期からずっと見てはいた。1期から外堀を埋め続けて、京太郎自身の気持ちも筋立ててきた成果が一気に結実したのが2期のラストだったと思う。中二病を思慮深さにシフトして自らの欲を自覚しつつも、想い人である山田の気持ちを優先的に考えて行動する京太郎が素晴らしくて、時に健気でかわいい。花田十輝の強みがよく出ている脚本だったとも思う。

ゴルフ雑誌連載マンガをアニメ化した『オーイ!とんぼ』。ここ数年でゴルフアニメの盛り上がりを少しづつかんじており、これもその本流となる作品。ゴルファーそれぞれにドラマがあり、1打に掛けるものが有るが、それを知らなかったとんぼを主人公に据えた事で視聴者との構造を構築した。つぶら、エマ、ひのきと強豪揃いだが、モブに舐められているとんぼがメンタル面で一番バケモノです。

ガールズバンドクライ』を見てから、リアルタイムでの放送が終わってもこの作品のことをずっと考えていた下半期だった。ずっと頭の片隅にあるくらい好きな作品になった。正しい事をした人が「正しい」と言える、「間違っていない」と思える為に井芹仁菜は今日も中指を立てていく。不器用な生き様を貫く正論モンスターが今日も往く。

麗奈に苛立ち、嫌い、泣いた。そんな『響け!ユーフォニアム』3期だった。1期も2期もそれぞれに辛さがあったけど、3期は最も感情が振り回されたように思う。原作改変の件もネットではひと騒動あったが、私は好意的に受け取っているし、あれとその後の展開があったからこの作品を更に良いと思えたし、ここに挙げようと思った。皆様、おつかれさまでした。

逃げ上手の若君』は1話放送当時に非常に盛り上がっていたのを覚えている。それは兎も角、切腹や討ち死になど武士の死に様が是とされていた時代に、真逆の逃げて生き延びる事を目的とした事で、700年前が舞台ながらも現代に通じる価値観を描いている作品。物語にアンチテーゼ的な気持ちよさがありつつ、とにかく楽しい画作りで12話を駆け抜けた。

負けヒロインが多すぎる!』は発想の勝利。タイトル通り、主人公に想いを寄せるが叶わぬヒロインの多さを逆手に取って、その様子をモブ視点から観察する。アニオリ最終回に少し疑問は残ったが、基本的にそのモブ力でヒロインたちとのフラグをへし折っていく温水和彦が素晴らしい。

2.5次元の誘惑』は完璧だとも、演出や脚本が好みとも思わない。何なら3話くらいで切ろうかとも思った。序盤は癖の強い主人公に少しエッチな展開を混ぜていたのが、段々キャラクターそれぞれを掘り下げて感情や他者との向き合い方を示していった。自分の好きをどう表現し、相手にどう伝えるかを丁寧に教えてくれる良作。

冬の僕ヤバ、春のガルクラ、夏の逃げ若、そして秋の『ダンダダン』。座組からくる高い期待値を裏切らない素晴らしい作品。序盤からターボ全開の脚本とテンポで視聴者を飽きさせず、気持ちの良いアクションと演出でブレーキをかけないカタルシスへと誘う。

前作のそらプリも良かった、シリーズ最新作『わんだふるぷりきゅあ!』。序盤は肉弾戦ほぼ無しとなっていてかなり不安になったが、人間と動物をテーマにした物語と脚本やキャラクターの魅力で十分に惹きつけられている。11月までは犬飼いろはと兎山悟の恋愛事情で行を埋めるつもりだったが、12月に入ってペットとの死別についての話にしっかり踏み込んでおり、制作の覚悟が伺える。素晴らしかった。

 

映画選

・『Poor Things』

・『Oppenheimer』

・『The Zone of Interest』

・『劇場版ウマ娘Pretty Derby 新時代の扉』

・『Furiosa: A Mad Max Saga』

・『きみの色』

・『ONE PIECE FAN LETTER』

・『Challengers』

・『ルックバック』

映画館に滑り込みで観てきた『Poor Things』だが、結果として大正解だった。背景美術や役者陣の演技が素晴らしいのは勿論だし、脚本とテーマがもの凄く私の好みだった。主役のベラも良いが、キャラクターとしてはマーサが特に素晴らしかった。知性を賛美し、それによって不条理な世界を変えていくことができると訴えてくる作品。

とばっちりで延期になり、漸く日本で公開した『Oppenheimer』。ノーランが監督するキリアン・マーフィー主演作とか、ノーランだけじゃなく私も鑑賞に気合が入ってしまうというもの。原爆の親たるオッペンハイマーの半生を描き、その革命的な行いと罪深さに言及する。世界唯一の被爆国の人間として忘れてはならないものはあるし、この作品はそれを補強してくれるものだとも思える。それはそれとして映像作品としても素晴らしい。

The Zone of Interest』は挑戦的な作品だと思う。テーマや演出面はもちろん、観客の想像力にも挑戦してくる。これでもかと言う程に、まるで汚点一つ無いかのように描かれる白い家。無関心を表現するために書かれたであろう脚本。意味も他愛も無い会話だからこそ意味を持つ。こういう静かではあるが、強烈に訴えてくる作品を見るのは映画鑑賞の醍醐味とも言える。

アニメ2期、RTTTに続いて制作された『劇場版ウマ娘Pretty Derby 新時代の扉』。RTTTから約2年後、2001年のクラシック戦線が描かれる。ポッケとタキオンというまるで違う2人のウマ娘を中心に、荒々しくパワフルな作画でウマ娘の心模様を繊細に描く。ウマ娘以外のゲームキャラが各所に登場していたり、年代が近いウマ娘も画面内にその姿を確認でき、細かい所までファンサが行き届いている。

前作から約9年を経て公開された『Furiosa: A Mad Max Saga』。FRでイモータン・ジョーの砦で大隊長を務めていたフューリオサの前日譚。流石に前作と比べると見劣りするかも知れないが、FRの補完作品として、マッドマックスの世界へより没入する為のツールとして十分過ぎる作品であると思う。スタッフは勿論だが、何より俳優陣の仕事が素晴らしかった。

「またか」と言われるのを分かって入れた『きみの色』。そう言われるのを分かっていても「水金地火木土天アーメン」を外せなかった。山田尚子とロックと聞くと、もしかしたら相反しそうなテーマに聞こえるかも知れないが、優しく柔らかな映像と音楽でこの作品独自の色を出していた。この時代に向けた山田尚子流ロックがここにあった。

ONE PIECE FAN LETTER』は名も無き者たちの物語。『ONE PIECE』という物語において表舞台に立つ麦わらの一味を始めとした海賊たちに対して、立場を超えて憧れを抱く人々を描く。その想いは我々読者そのものであり、つまりは一モブキャラからというだけでなく、視聴者も制作も含めたワンピースファンから麦わらの一味(もしくは尾田栄一郎)へのファンレターなのだろう。

ゼンデイヤのポスターが印象的な『Challengers』。今年私が観た新作映画の中でトップクラスに映画していた作品。ゼンデイヤ演じるタシが引力を有している事を利用し、カメラワークや演技などの演出で要素が上手く溶け合った画面を作り出している。ルカ・グァダニーノはやはり映画を撮るのが上手いと再確認する作品だった。

ルックバック』に関して説明が要るのかという疑問はある。あの原作を佳くこれだけのアニメ映画に仕上げたという驚きがある。動きや画面構成から感じる雰囲気、音楽、演技と素晴らしい作品になったと思う。京アニの件に想いが有り過ぎるから補正がかかっていると言われてもそれは仕方ない。

 

 

 

選外と総評

連続ものだけでなく映画も含めて音楽バンドを扱うアニメが特に印象に残っている。前述のガルクラや『きみの色』の他にも『夜のクラゲは泳げない』も印象に残っており、バンドという狭いコミュニティーを中心に、マクロな現代社会の問題点を風刺しつつ、ミクロな人間関係と感情の機微を描く作品が多かった様に感じる。

選外とはなったが『勇気爆発バーンブレイバーン』、『ダンジョン飯』、『推しの子』s2なども盛り上がったし、印象に残っている作品。転生モノや異世界モノは一定数の作品が配信されているイメージがあるが、モブだったキャラを主人公に据えたり、他人との交流が苦手だったりとその多様さは年々広がっているように感じる。

後は2010年代のゲームプレイを題材としたアニメからゲーム実況文化を経た昨今は、主人公を実況者と捉えて作品を楽しむスタイルというのも有るのかもと頭の片隅で考えている。

映画でいえば、海外映画は単にアフリカ系の差別問題を取り上げるだけでなく、白人の罪悪感を緩和させる為の作品を批判する作品が出てきていて、問題の根深さを『American Fiction』を見ていて感じた。更に、大統領選でドナルド・トランプが返り咲いた事により『Civil War』がよりリアルに感じられた。

後は、余りに駄目過ぎて逆に選出しようか迷ったのが『Joker: Folie à Deux』でした。その衝撃故に前作から完全にスタッフを一新したんじゃないかと疑った程だった。

 

 

その他

まあだいたいポケカですよ。2024年になってからはエクストラバトルが続き、その後には汎用カード(「なかよしポフィン」)のキャンペーンが開催されて、休む暇を設けないという公式の上手い運営にかかりました。大型大会の参加人数を見てもプレイヤーがかなり増えていると感じる。更に10月にはポケポケも配信開始され、非常に盛り上がっているなと思うところ。ただ、2025年1月発売のパックの件でまた荒れてる時代の香りがしてきているのが不安です。

旧作視聴については、Vtuberの同時視聴を利用して視聴済みのアニメ作品を見ながら愉悦したり。映画では『A Quiet Place』シリーズや『The Purge』シリーズなどスリラーを中心に見ていたかな。

他には衆院選が10月にありましたね。ここ十数年の中では喜べる結果が比較的多かった選挙ではあったが、大きな汚点はまだまだしつこくこびりついているし、野党面した第二第三自民党が多く、安心できないし呆れてもいる。そういえば昨年の本ブログで検察が動き出したことに期待していたが、残念ながらここも機能不全にされており、未だ国会には犯罪者が跋扈しています。韓国の様な民度にはまだまだ遠い。

 

 

終わりに

ラスト一週間で、色々なタイミングが重なり、またストレスを強めに感じて、このエントリーを年内に書ききれるか分からなかったが。杞憂に終わって良かった。やはり睡眠が大事であり最強なんだよな。まあでも、後半はダレて文章が雑になっています。

とりあえずこれをアップしたら積んでおいたゲームをやるつもり。実は昨年もゲームソフトを年末に買ったんだけど、やりきる保証がなかったので黙ってました。それとも、公表したほうがモチベになるのか?

ここまで読んで頂いた方、ありがとうございました。

さてルパさん。自分語りは終わったので、いつでもお尻パンチ来てもらっていいですよ。

 

 

 

 

 

 

 

私は衛宮士郎が嫌い

今回はタイトルの通り衛宮士郎にケチをつけていく内容になっております。

褒めません。

所謂お気持ち表明になっていると思います。

独断と偏見しかありません。

不快な発言に満ちていると思います。

「それでも読みたい」という方だけどうぞ。

 

Fate/stay night』及びTYPE-MOON作品の核心に触れる内容になりますので、ネタバレが嫌な方はブラウザバックして下さい。

 

基本的にUBWにおける描写を主軸に話していきます。

 

 

 

 

 

・前文

原作ゲームやDEEN版のアニメを見ていなかった私にとっては士郎の初出は『Fate/Zero』の終盤であり、ufotable版『Fate/stay night Unlimited Blade Works』が彼がどういう人間か知った最初の作品だった。その後、『Heaven's Feel』や『FGO』などの作品にも触れて、いくらか印象が良くなりはしたものの現在に至り「嫌い」という感情を覆すには至っていない。

では何故私はこんなにも衛宮士郎が嫌いなのか。言語化する事で好きになるとは全く思わないが、曝露療法的に何か晴れるものがあるかも知れないし、これからは胸を張って「嫌い」と言えるかも知れない。

ただこうして筆が乗るまでそれなりの時間がかかっている。当たり前のことだが、嫌いな事について考えるのはそれなりのストレスが伴うもの。まあでも、作品としては面白いと思うし、記事を書くのも嫌いでは無いのでその辺でモチベーションのバランスが取れたらなあと望む。

 

・正義の味方

Fate/stay night』という作品を知っている方なら初っ端から核心をつく見出しで驚かれるかも知れないが、自分の感情を振り返った時にこのワードこそ衛宮士郎を嫌いになる核にして大前提だと考えたので、最初に挙げることにした。

「ふざけろ!正義なんて言葉、チャラチャラ口にすんな!俺はその言葉が一番嫌いなんだ。」、これは私が懇意にしているRPG作品の主人公の台詞だ。『stay night』を見ている時に何度この言葉が頭を過ぎったか分からない。何度も衛宮士郎に向けてこの言葉を思った。UBWにおいて最初にこの士郎の夢について言及したのは藤村大河だったと思うが、士郎本人も特に否定せず、その後は話を重ねるごとに本人からの言及が増えていく。

何が嫌かというと、若干17歳で、大災害を経験しているとはいえ、保護した切嗣から魔術を齧っただけの一般人と然程変わらない人間が「正義」を口にするのが私には非常に不快だった。この不快感が大前提となったことで後の衛宮士郎の言動全てにマイナスの補正がかかった。切嗣はまだ分かる。齢30目前で、身内の研究で初恋の人を失い、実父や養母を自らの手で殺しており、「歪んだ正義の味方」と称されることもあるが、その言葉を口にするだけの背景が十分にあると感じた。

しかし、士郎は切嗣からその「正義の味方になる」という言葉だけを、中身を分からずに真似た。第四次聖杯戦争の時点でなら可愛い子どもの夢で済んだ。切嗣の様に幾重にも絶望を積み重ねた結果で尚も志すならそれだけの重みがある。しかし士郎はただの高校生。この場合四次の災害で様々なものを失ったのは士郎だけではないので、これは特別にはならない。そんな人間が「正義」を口にするのは虚無でしかないと感じる。

「正義」って自分を正当化するのに非常に便利な言葉だと思う。

 

・傲慢

傲慢で有名な『Fate』キャラと言えばギルガメッシュだろう。しかしギルはそれを自覚しているし、隠そうともしていない。そして私に言わせれば、ギルガメッシュが可愛く見えるほど、衛宮士郎は傲慢だ。

正義の味方になりたいという夢を持つが故に周りを救おうとする。人間みんながハッピーエンドになるべきで、そうじゃない事に我慢ならず、誰も彼も助けようとする。それを私は正義の押し売りだと思う。士郎の価値観で言う幸せに他人を押し込めようとする。そしてその傲慢さを士郎が自覚している様子は見受けられなかった。百歩譲ってギルの様に力が無いとしてもそれは仕方無い。しかし、この無自覚なまま歪んだ「正義の味方」像の為に利用される士郎視点で言う不幸な人たちがいて、士郎視点の幸せに当て嵌められていく。それは暴力だと私は思う。その人々の人格は無視なんですか?

お前の理想に他人を勝手に巻き込むんじゃねえよ!

 

・話を聞かない

UBWルートのヒロインである凛は士郎がアーチャーと同じ末路・人格に成らないためにこれから頑張っていくと誓って物語が終わる。つまり、この時点ではまだ士郎はアーチャーと同じ道を辿る可能性が十分にあるとも受け取れる。それは物語の途中、凛は「まず士郎自身が救われてなければ、幸せでなければ」と諭そうとするが士郎は聞く耳を持たない所からも、士郎は未だ変わる意志が無い(=アーチャーになる)ところからも窺える。

UBWで幾らアーチャーを拒否しようが、このままいけばアーチャーとなる未来は避けられない。しかも、アーチャーの様にならないと言えば言う程に、それは自分の未来の否定に繋がってしまう。そして、その未来はどんな想像やifよりも鮮明に存在する。

だが士郎は聞き入れない。皮肉にも聞き入れないが故に、聞き入れない程にアーチャーに近づいていってしまう。誰よりも認めたくなかった、負けたくなかった未来(自分)に成っていく。そして後悔する。

後悔しない確証があるなら未だ良かったが、残念ながらその可能性は低い。

士郎とアーチャーの戦闘で士郎が勝ったのは彼が正しかったからでも、ましてや能力的に勝っていたからでも無い。「諦めない者」と「諦めた者」が戦ったらどっちが勝つのか、というだけの話。

自分からの忠告を無視して後悔するなど始末に負えなくて、アーチャーが不憫で仕方無い。

 

・自己矛盾

前項にて凛の「まず士郎が救われなきゃ〜」という台詞を引用したが、私はこれに賛成する。

士郎の理想は誰も泣かない世界にすることだが、その「誰も」の中に士郎自身は入っていない。

士郎の志す正義の味方は人間としての欲を持たず、正義の奴隷となるという事。それを士郎は決して諦めないし、後悔しないと言っている。しかし凛やギルガメッシュの言う通り、他者から見たらその人間的な幸せや欲は無く、ただ機械的に他者を救う事だけを目的とした生き様はヒドく歪に見える。個人的には虚無だと感じる。(それは桜の特権だろうに。)

それはつまり、士郎の人間的な幸せを願う人達は泣き続けると言う事。士郎に真っ当に、普通に生きて欲しいと言う人達の願いは叶わない。受けるのは士郎からの一方的な正義を自称する救済のみであり、誰も士郎自身を救うことは出来ない。

他人がいないと成立しない夢なのに、他人の言うことは聞かないし、誰も不幸になって欲しくない。無茶苦茶だと思うし、支離滅裂だと思う。

私は断言するけど、人類の救済なんて、少なくとも士郎(一個人)には絶対に無理。

何よりそんな歪んだ夢を「正義の味方」だなんて呼称しているのが本当に腹立たしい。

 

・最後に

この記事を書くにあたりUBWを見直したが、溜め息をつきながらの作業に成ったことは言っておこう。なにせ嫌いな理由を探るために嫌いなキャラに集中しなければいけないのだから。

でも見直したことで士郎以外のキャラクターの魅力が再発見できたし、これはこれで良かったとも思っている。

HF最後の綺礼との決戦なんか「虚無と虚無が殴り合ってる」と思えて笑えたし。

前述通り『Fate』シリーズの作品自体は面白いと思うしFGOもまだ続けているので、この経験が糧になっていくでしょう。

 

こんなテーマで3000字以上も書くとは思わなかった。

 

 

 

 

2023年まとめ

はいどうも、年々このエントリーの着手が遅くなっているくせるです。

今年は昨年から始めた趣味の継続が主になった印象で、更に継続に因んで過去作の続編が多く印象に残る年でもあったと思う。

連続もの、映画は後述するとして。

4月にUSJなど関西に旅行に行った事は先ず大きい行動だったし、7月には今生初の熱中症に罹り、9月からはポケモンカードのイベントに参加したりと、ここ数年の中ではかなり外出の機会が増えた方だった。別にコロナウィルスは収束した訳じゃないだろうし、異常が日常になっただけだと個人的には考えている。

政治については、ここ10年沈黙し続けていた検察が漸く仕事をし始めたところで、人々を苦しめ、日本を破壊し尽くしてきた者たちがちゃんと牢獄にいけるのか。気になるところである。

 

では(?)、やっていきます。

 

 

 

 

 

連続モノ(TVアニメ・特撮)選

・『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

・『VINLAND SAGA』season2

・『君は放課後インソムニア

・『天国大魔境』

・『ウマ娘 Pretty Derby ROAD TO THE TOP』

・『無職転生Ⅱ〜異世界行ったら本気だす〜』

・『呪術廻戦』第2期

・『王様戦隊キングオージャー』

・『葬送のフリーレン』

 

最初に挙げた『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は実のところ12月の半ば過ぎまでは選外にしていた。クィアベイティングを行った作品を評価する程私は寛容では無いからだ。しかし、小林寛監督がBlu-rayのインタビューにてクィアベイティングを覆す意図を明かしたことで、少なくとも制作陣に非は無いと入選へと至った。ガンダムらしい子どもと大人の対比を描きつつ、更に現代的な価値観をも取り入れた最新のガンダムとして十分な出来だったと思う。スレミオ、おめでとう。

奴隷といえども背景に牧歌的な農場を据えて始まった『VINLAND SAGA』2期は、しかしどうしようもなくトルフィンに過去を突きつけ、トールズの背中を見せてくる。まさか数奇な縁が手繰られた末にここまで話が広がろうとは圧巻だった。トルフィンとクヌートの非常に形容し難い関係も面白い。

去年(の『よふかしのうた』)に続いて入選した"深夜"アニメのひとつ『君は放課後インソムニア』。映像的に特別印象に残っている訳では無いけれど、opedから作品の雰囲気作りが徹底されているのがかなり好印象だった。「眠れない」という現代を思わせる症状を通して丸太と伊咲ちゃんの間や周りに出来ていく関係を描き、見守る。私の苦手な過保護親キャラもまあ様式美ということで。

天国大魔境』は原作が未完結で、アニメも1クールだけの放送なので謎はまだそこかしこに散りばめられたままではある。しかし、攻殻新劇以来の野村和也監督とI.Gの作品は、荒廃した世界でサバイバルしたり謎の施設で養育される子どもたちが無性別的で様々な愛情を見出すロマンスがあり、怪物や暴漢やどと戦うアクションもあり。無性別的とは言ったが、肉欲の表現もしっかりなされていて好みの作品だった。最後が最悪だったが、仕方ないので溜飲は取っておくぜ。

TVアニメのシリーズに挟まるかたちで配信された『ウマ娘 Pretty Derby ROAD TO THE TOP』は、これこそ「Eclipse first, the rest nowhere」の如き熱量で駆け抜けた圧倒的な4話だった。メインはナリタトップロードではあったが、アドマイヤベガテイエムオペラオーもそれぞれが主人公だった。演出、作画、演技、脚本、脚色など、その全てが超絶の作品だった。

無職転生Ⅱ〜異世界行ったら本気だす〜』は立ち上がれなくなった男の話。この1クールをたっぷり使って、スタッフも視聴者も皆んなが、ルーデウスと共に悩み、苦しみ、向き合う。自信を失い、心を病み、折れてしまった彼は果たして再び立ち上がることが出来るのか。女に去られ、ヤケになり、他人を傷つけ、更に自暴自棄になった。全てが初めてだった。もはやどんな神にでも縋るしかなかった。再び男として立ち上がる方法を。

どう足掻いても選ばない訳にはいかなかった『呪術廻戦』2期。特に『懐玉・玉折』は2023年において最もリピートした作品になってしまった。面白い原作、暗く容赦のない筋書き、圧倒的なアクション作画とどれをとっても隙のない作品となってしまった特級呪物。もともと五条悟の夢女だったが、夏油傑に共感を覚えてしまい、どうしようもなくなってしまった。

王様戦隊キングオージャー』を選びたいが為に今回から「連続モノ」としてジャンルを広げた。それほどこの作品は面白い。全ての話数が山場。「ダレ場なんて知ったこっちゃねえんだよ、スカポンタヌキ」とばかりに、40話を超えて尚留まるところを知らない面白さの洪水は、きっとこのまま走り切ってしまうのだろう。そして今この日本で王様の話をやることの意味も、しかと考えていかねばなるまい。

何らかの掛け違いが起きていたら『葬送のフリーレン』を最初から見ていなかったかも知れない。そう考えると、見る判断をした自分を褒めたい。勇者が魔王を倒した後のファンタジー世界でエルフの長寿を体験するという変則的な異世界転生モノとも考えられる本作。特筆すべき点は作画だろうか。アクションや演出的なライティングは勿論なのだが、なにより日常の所作に目を見張るものがある。戦闘も素晴らしいが、その日常に重きを置いている様に捉えられるが故に独特のゆったりとした空気感が気持ちの良い作品である。

 

 

映画選

・『アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』

・『グリッドマン・ユニバース』

・『The Guardians of the Galaxy Vol.3』

・『Fate strange Fake -Whispers of Dawn-』

・『君たちはどう生きるか

・『映画プリキュアオールスターズF』

・『アリスとテレスのまぼろし工場』

・『The Createor』

・『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

・『窓ぎわのトットちゃん』

 

先ずは『アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』に、ありがとう。

 

グリッドマン・ユニバース』はトリガーのロボットモノらしい観たいもの全部盛りの楽しいエンタメ作品。グリッドマンとダイナゼノンのTVシリーズを見るというキャズムは有るが、だとしても勧められる理由が十分にあると考えている。合体ロボットと怪獣の熱いバトル、TVシリーズから培われた関係性や設定、思春期のウカレポンチ甘酸っぱい恋模様。更にヒーローものとして弱さの肯定、想像や創作の称賛も見られ、安心して見ていられる優しい世界でもある。公開当時の感想はYouTubeにて。


www.youtube.com

僕らのジェームス・ガンとガーディアンズが再び帰ってきた『The Guardians of the Galaxy Vol.3』。MCUの勢いが衰えつつある気がする昨今だが、GotGはここに至りロケットに焦点をあてた上で全てにおいて納得しかないストーリー構成。ジェームス・ガンは映画撮るの上手いし、特にプレッシャーという意味であまり期待はしないようにしていたけど、署名がこんなに良い作品になって返ってきたのは凄く嬉しい。

連続モノと映画のどちらに入れるか迷った末に、今回はこれ単発だったということで映画に入れた『Fate strange Fake -Whispers of Dawn-』。A-1 Picturesの作画とアメリカという舞台に澤野弘之の音楽がぶっ刺さって、高揚感と爽快感で非常に気持ちのいい作品となっている。聖杯戦争に参加するCV諸星すみれというだけでも期待が膨らむものだ。あの戦闘を冬木でやるのは無理だろうなあ。

君たちはどう生きるか』は私に宮崎駿の凄さを再認識させた作品となった。たしか公式が事前情報をかなり絞っていたので、私も余りに語るのは控えようと思うが。主軸の物語、過去のジブリ作品との共通点、散りばめられたメタファー、そしてこれらを纏め上げる手腕。脱帽だった。

映画プリキュアオールスターズF』もまた最高のプリキュア映画のひとつであり、ここに入選して然るべき一本である。オールスターズNSシリーズが終結してから約10年、良い映画もあったが、私が欲し待っていたプリキュアオールスターズはまさにこれだった。強靭で無敵で最強の布陣が揃ったプリキュアオールスターズのエンドゲームを是非ご堪能あれ。

岡田麿里らしい作品だと思うのが『アリスとテレスのまぼろし工場』。前作の『さよならの朝に約束の花をかざろう』も良い作品だと思うが、良い意味で岡田麿里らしい嫌悪感というか気持ち悪さを内包しつつ、より強烈で濃い物語となったのが今作だと考える。生々しくも瑞々しい感情の物語。

怪獣映画で有名なギャレス・エドワーズだが、『The Creator』の様な人間ドラマにこそ彼の世界観は鮮烈に現れるのかも知れない。多くの人が『The Matrix』や『Avator』の時に受けた映像的な衝撃を今更になって私はこの作品から受けたかも知れない。物語としての驚きは少ないかも知れないが、ギャレス・エドワーズが培ってきた画面と脚本の構成力は確かに実となっていると感じる。

正直このタイミングでこれが入選するとは思ってなかった『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。原作の掲載開始はもう半世紀近く前である上に、映画内の主軸となる時代も1956年であるにも関わらず現代に即した問題を提起し、今この日本に刺さる言葉や価値観を返してきた事に驚愕した。私はもう長らく鬼太郎には触れてこなかったが、この作品単体でも十分楽しめた事も入選した理由のひとつである。TLに見せかけたBLかなと。

話題になっていたので急遽見に行った『窓ぎわのトットちゃん』は、その評判に違わぬ良作だった。これもまた古い価値観や軍国主義が跋扈する時代を描く作品であるが、子どもの素直な感情や想像力によってそれらを打破し反戦へと繋げていく物語。少し前に公開した似たようなテーマや時代背景にも振ることが出来た某作品と比べ、圧倒的にこちらが私の好みであったのが実際のところである。

 

選外と総評

・『推しの子』、『スキップとローファー』、『ポケモンSV 放課後のブレス』

・『Air』、『Napoleon』、『Bones and All』

ポケカに時間を割いていた事もあり、比較的観たタイトル数が新旧作共に少なめではあった。

『推しの子』や『スキップとローファー』は話題になり、個人的にも面白いと言えるところがあったが、刺さらないところの比重が勝ってしまった作品たちだった。『放課後のブレス』は、TVアニメでサトシが引退したことで新シリーズを見始めはしたが、結局話数が少ないOVA的なポケモンアニメの方が性に合っていると感じた次第だった。アニメ全体においては相変わらず異世界転生や「やり直す」話が多い中で、そのバリエーションは多様化している為、ジャンルの垣根がどんどん低くなってきている印象。

映画選においては日本アニメが今回は多かった。全体の印象として日本は陰鬱で窮屈なこの世界からの脱却を求めたり。また、反戦意識や戦後意識の高まりを促したり、権威主義軍国主義に抗う意志を示すような印象が強いと感じた。文化や人の尊厳を軽んじる権力者に対し芸術で抗するのは非常に私の好むところなので、それで作品が作られる事は良いことだが。それはそれとして、宗教と強く結びつき私腹を肥やすことしか考えていない政治家は一刻も早く牢獄へどうぞ。後は、選外の洋画3作品もそれぞれ秀逸で、それぞれ時代に即したジェンダー観の発露が見て取れた。更に『Air』に関してはNBA好き、スニーカー好きとして楽しい作品だった。

 

 

その他の活動など

旧作視聴としては、年々見るのが楽しくなってきたホラー作品という事で『Halloween』シリーズをいくつか見たりして楽しかった。ホラー以外にも『Brokeback Mountain』や『Pulp Fiction』、『Usual Suspects』といった名作鑑賞も少ないながらしていた。

前述した通り、関西やポケモンカードなど、例年に比べ外出の機会は比較的増えたと思う。

上半期としては先ず新潟国際アニメーション映画祭に言ったことか。当時は作品を見るというよりTwitter(抵抗の意志)でフォローしている方を一目見たいというのが大きかった。押井守さん、氷川竜介さん、数土直志さんを見れたのは嬉しかった。これからも続いていくイベントみたいなので、出来たら次は前田Qさんや藤津亮太さんも拝見し、話を拝聴したい所存。

特にポケモンカードに関しては上半期においては、転売の横行を理由として、呆れて距離を置いていたが。WCSや「月明かりの丘」収録などを機にイベント参加を決意。2022年にある程度組んでいたルギアVSTARデッキに環境にあった汎用&メタカードを加えて戦った。某カードゲームの様にソリティアで圧倒的な制圧盤面を敷く楽しさも分かるが、お互いにある程度の動きを許容した上で勝つ楽しさがポケモンカードの特徴だと私は思う。特に2023年12月の環境は、ルギアが圧倒的なシェア率を誇っていた1年前とは違い、様々なデッキが入り乱れる群雄割拠の状態で、個人的にはかなり面白くて好きな環境だった。

カードゲームは盛んだった一方で、コンシューマーはあまり手を出さなかった。春頃まではモンハンR:SBが更新を続けていたのでプレイしていたくらいで、後はソシャゲばかり。ソシャゲもFGOウマ娘は続けているものの、特筆するほど力を入れた記憶は無い。どちらかというと、手を出してはいないものの、ベイブレードへの興味の方が強かった。

11月には初めての即売会にも一般参加したりもしたが…。まあ、うん。

 

最後に

あいも変わらず自民党に苛立ちを覚え、日本の現状を憂い、人間が苦手な私ではありますが。ポケカではコミュニケーションが不可欠なので、枯れきっていたコミュ力になんとか水を足している状況では有る。っていうか、去年も似たようなこと書いていた。多分毎年書くんだろうな。

冒頭で着手が遅くなっているとは言ったが、このまとめ記事がライフワークの一部な気がしているので、続いてはいくと思う。多分。きっと。おそらく。もしかしたら。

 

 

 

 

冒険の終わり

 

 

 

初めての即売会で辛くなってしまった話

【※注意】

・楽しい話ではないと思います。ご了承の上でお読みください。

・他人や特定のグループや作品を貶めたり、誹謗中傷する意志・意図はありません。

・即売会が楽しくて、好きな方にはブラウザバックを推奨します。

 

 

 

 

 

【本文】

最初に行く決意を固めたのはいつだったか…。

Twitterでまわってきた投稿にて、好きなジャンルのプチオンリーが開催されると知った時だったかと思う。

普段は地方に住んでいて、同人誌などは委託や通販を使って無理のない範囲で購入してきた。しかし、即売会に行けば通販などでは手に入らない品も作者から直接購入できる。建前として「買うか分からない」と言ってはいても、実際行ったらその空気も手伝って購入するであろうことは分かっていた。

一般参加なので、落とす新刊や締切も無い。その分、身支度には時間をかけることが出来た。

 

そして当日。

少し余裕をもって会場に行き、狙っていた頒布物は早々に購入して、後は会場をぐるぐると歩きまわっていた。

これは先に言っておきたいことだが。やはりこういうイベントというのは人々の好きが溢れており、運営と参加者が作り出す会場はとても明るく楽しい雰囲気でいっぱいだった。

トラブルも、私が観測した範囲では特に無く。強いて挙げれば、午後になって雨が降り始めてしまったことが残念だったくらいか。

私も可能な限り楽しもうと努めていたし、その時は実際楽しかった。

 

変調があったのは帰宅してからだった。

肉体的な疲れはまあ当然あるのだが、精神的にどうにも辛い。

おそらく会場の雰囲気に当てられた事で、自分の中での価値基準までもが影響を受けてしまったんじゃないかと思う。

どうして私は独りなのか、と。

あれだけの同好の士がいて、皆んなが楽しそうにコミュニケーションしているのに、どうして私は禄に会話もせず、また共に参加する友人知人を作ってこなかったのか。

今迄私は何をしてきたのか。何もしてこなかった。

即売会で見る「好きを思いっきり表現している人たち」が私には眩しすぎた。

無能。ひたすら無能感に襲われた。辛くて仕方なかった。

元々あまり育っていなくて、どうにか地上に出ていた自己肯定感の芽が地中でへし折れてしまったかのようだった。

 

まあここ10年程は人間関係を意識して減らしてきたし、徒に増やしたくないと思って行動してきたから、今回の件は完全に自業自得なんだけどね。

それでも辛くなってしまったものは仕方ない。

 

私は自己肯定感は高くないが、自分に課すハードルばかり高い傾向がある。

何が言いたいかと言うと。私がもっと頑張っていたら今頃はサークル参加していたりコスプレで参加していたりが出来たんじゃないか、というハードルを自ら設けてしまっていて、それを出来なかった自分を責めているんじゃないかと。

否定は出来ない。

しかし、これを考えたところで仕方ないとも思う。

これからの事はこれから決めればいいし。

 

とりあえず、あれから幾ばくか。

気持ち的にはゆっくり回復してきている感じではある。

しかし、今暫くは即売会へ一般参加する腰は重過ぎて上がりそうにない。

 

アニメや映画や特定のジャンルが嫌いになったとかいう話ではない。

いっそ「嫌いになった話」の方が私としても分かりやすかったんだろうな。

 

最後にもう一度言いますが。

他人や作品等を批判したい気持ちはありません。

即売会への参加だけでなく、創作活動をしている方々は素晴らしい事をしていると思うので、そのまま続けてほしいです。

 

という事で別に結論とかも無いです。

これで終わりです。